写真は我が家のリリーハープたち。
他にもさまざまなカラーがあります
リリーハープの販売サイトはこちら↓
https://www.graceharp.com/products/detail.php?product_id=1165
８弦（１オクターブ）という限られた音域なので
演奏できる曲は限られますが、その分、
軽量、安価、気楽に演奏できる、可愛い、
などのメリットがあります
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
実は先日、こちらのリリーハープを
私が勤務している大学の音楽療法の授業で使用しました
音楽療法で使用されるさまざまな理論や技法を学ぶ授業で、
１コマ（１時間半）という限られた時間ではありましたが、
今後学生たちが音楽療法の実習でこのハープを活用することを見据え、
楽器の説明、調弦の方法、簡単な弾き方、
即席の合奏、音楽療法で使うアイデア・・などなど
盛りだくさんの内容を詰め込みました
これまでも自分のハープを大学に持って行って
授業内でちょこっと紹介したりしたことはあったのですが、
今回、このようにハープを中心とした授業が初めて実現した背景には、
リリーハープを販売しているグレースハープ・インターナショナルさんより
大学の音楽療法コースに
リリーハープを複数台寄贈していただいたことがあります
私が自分のハープを持って行って学生に紹介して、
仮に「いいな」と思う学生がいたとしても、
その学生が実際にハープを購入するのはちょっとハードルが高いですが、
大学がハープを所有していれば、
学生は気楽にハープに触れることができますし、
子どもや高齢者などさまざまな実習現場で
実際にこのハープを活用することができます
また、８弦のハープが１台だけあったとしても
できることは限られてしまいますが、
複数台あれば、
何人かで合奏したり、即興したり、
さまざまな使い方ができます。
ですので、このような授業を実現するきっかけをくださった
グレースハープさんには本当に感謝です
私は20年以上前から
「音楽療法の世界にハープを広めたい
」と思い、自分自身も音楽療法の現場でハープを活用してきましたが、
私一人が担当できる臨床現場の数には限りがあります。
今回のように大学の音楽療法の授業で
学生にハープを教えることができれば、
その学生が実習の時にハープを活用したり
卒業して音楽療法士になってからハープを活用したりする可能性が増えるので
音楽療法の世界にハープを広めるための
大きな一歩になるのではないかと嬉しく思っています
もちろん、今年教えただけで何かが大きく変わるわけではないので、
この活動をこの先も継続し、
授業内でハープに触れたことがある学生（音楽療法士の卵）の数を
増やしていくことが重要ではありますが
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ところで、大学の授業でハープを教えるといっても、
それは単発のワークショップのようなものですので、
ハープ教室に継続的にレッスンに通う生徒さんにハープを教えるのとは
事情が異なります
大学の音楽療法の授業でハープを教えるのは、
学生にハープ演奏をマスターしてもらうことが目的ではなく、
あくまでもハープという楽器に触れるきっかけを持ってもらうこと、
そして、必要に応じて音楽療法の実習でハープを活用してもらうことです。
音楽療法の実習で活用する場合、
必ずしも学生がハープを上手に演奏して聴かせる必要はなく、
子どもや高齢者など音楽療法の対象者にハープを渡して
自由に音を鳴らしてもらったり、
楽器を持ってすぐにできるような
ごく簡単な合奏や即興をしてもらったりしても良いわけです
ですので、授業でも
そういった活用がすぐにできるような
知識や技術を教えることに主眼を置きました。
まずは、調弦の知識と技術は必須事項です。
実習で活用するたびに私が調弦するわけにはいきませんからね
それから、ハープは通常小指を除く４本指で演奏しますが、
限られた授業時間内（しかも集団授業）で
４本指の使い方を教えるのは大変なので、
授業では１本指（右手人差し指）の奏法に絞って教えました。
そして、１本指で弾ける曲を実際に弾いてもらったり、
パートに分かれて即席の合奏を楽しんでもらったりしました
即席合奏は
音楽療法の対象者にしてもらおうと思うと相手を選びますが、
学生は音楽大学の学生なのですぐできます
８弦、しかも１本指で演奏できる曲は限られますが、
２パートに分かれて合奏すると
音の広がりが増しますし、楽しさも増します
たとえば＜きらきら星＞の１本指演奏なんかはすぐにできますが、
２つのパートに分かれて弾くと
初めてハープを触る学生同士でも
ちょっとしたハモリを楽しむことができます。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
この即席合奏のイメージを伝えるため、
急きょ一人合奏動画？を作ってみました。
時間差で別々に録画したものを後で合成したので
音がぴったり合っていない箇所もありますが
即席合奏のイメージは伝わるかなと思います
どちらも一本指での演奏なので、
音大の学生など楽譜がすぐ読める人であれば
初めて楽器を触った日にこのような合奏を楽しむことができます
これはハープの良いところですよね。
ヴァイオリンやフルートなどではこうはいきません。
音をすぐに出せるハープならではの即席の楽しみです
授業では他にも次のような曲の即席合奏を楽しみました。
＜野ばら＞
＜ファーストノエル＞
（季節外れですが、ハープに合うので・・
）どれも１本指で演奏可能です
先ほど書いたように
このような合奏を音楽療法の対象者と一緒にやる場合は相手を選びますが、
まずは学生自身に「ハープって楽しい
」「自分にもできそう」と思ってもらいたくて、
このような即席合奏を授業に取り入れています。
あとは、音楽療法の実習で使う際のヒントになりそうな
即興演奏のアイデアや、
ハープの色々な使い方などを紹介し、
1時間半の授業があっという間に終わりました
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ここまで長々と書いてしまいましたが、
このような授業を毎年継続することで、
ハープを活用する音楽療法士が少しでも増えるといいなと思っています。
それによって、音楽療法を受けている人たちにも
少なからず恩恵があると思うんですよね。
現在、日本の音楽療法で使用される楽器は
ピアノ、ギター、あとはさまざまな打楽器類が定番ですが、
それにハープという選択肢が加わるなら・・・
そのほうが絶対に良いですよね
以前にもブログで書いたことがあるのですが、
「音楽療法について語るハープ奏者」がとても多いのに対し、
「ハープについて語る音楽療法士」、
ましてや「実際にハープを弾く音楽療法士」は少ないのが現状です。
音楽療法界でのハープの広めにくさについては
過去のブログ内↓でつらつらと書いておりますが（あくまで私の経験談です）、
http://mygentleharp.seesaa.net/article/475839254.html
やっぱり、「音楽療法を受ける人たちの利益」という点からも、
もっと音楽療法の世界にハープを広めていきたいなと
改めて思う今日この頃です。
（やっと、それを堂々と言えるくらいのキャリアが積めたかな・・。）
今、せっかく音楽療法士を育てるという立場を与えてもらっているので、
（単に私がハープを好きだからとかそういうことではなく）、
音楽療法を学ぶ学生の利益、そして、
音楽療法を受ける対象者の利益、という視点もしっかり持ちながら
音楽療法界にハープを広める活動を
今後も続けていけたらと思っています
久しぶりに長い記事になってしまいました。
ここまで読んだくださった方、
どうもありがとうございました
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
【ホームページ】
小型ハープ向け楽譜 紹介サイト
https://mygentleharp.wixsite.com/my-site
【YouTubeチャンネル】My Gentle Harp
https://www.youtube.com/channel/UCiK2sK-BaPQs_MoJOiUReVA
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
